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伊豆の魅力は「食」にあり!絶対食べたい“ここだけ”の味

 伊豆半島は豊かな自然に恵まれ、その独特の地形や風土から、他の地域には見られない特有の食材や食文化に富んだ地域です。海の幸、山の幸、昔ながらの伝統食、工夫を凝らした創作グルメなど、ありとあらゆる食がそろっているのです。昨年度開催された「おいしいIZUグランプリ」では、これら伊豆自慢のグルメの中から「伊豆らしいもの」「もう一度食べたいもの」として以下の3品が選出されました。初代グランプリに輝いたのは佐野製麺株式会社の「海賊焼」、準グランプリはカネサ鰹節商店の「潮かつお燻焼き(くんやき)」と港月堂の「チーズどら焼き」がそれぞれ受賞しました。
 伊豆らしい、もう一度食べたい、と人々が感じる料理・食材とは一体どのようなものなのでしょう?今回こちらの3社に伊豆という土地、そして伊豆の「食」の魅力についてお話を伺いました。

佐野製麺株式会社 加賀延明専務

地元の食材を練りこんだ、西伊豆ならではの麺が色々

 「海賊焼」とはイカなどの海鮮を具材に、塩ダレで味付けされた焼きそばで、今では西伊豆町のご当地グルメとして知られるようになりました。その最大の特徴は、真っ黒な麺。イカスミを練りこんだという麺のインパクトたるや、ただものではありません。

「最初は皆さん、ギョッとしますよね。『これ、美味しいの?』って。でも食べてみると、その美味しさにさらにびっくりするんです。」

 佐野製麺株式会社の加賀延明専務はそう笑いながら、海賊焼の開発について話してくれました。海賊焼が誕生したのは2009年のこと。地元のホテルからイカスミを使ったラーメンを作りたい、という相談を受けたことがそもそもの始まりでした。苦心の末に生み出したそのラーメンはとても好評で、他の飲食店からも取り扱いたいという声が多く寄せられました。そこで麺をアレンジして、現在の焼きそばを開発したのだそうです。

 発売以来、多数のコンテストで高い評価を得ている海賊焼ですが、開発当初は麺にイカスミを練り込む量が多すぎ、生臭くて食べられないこともあったのだそう。試行錯誤をくり返し、ようやく今の色合いと味にたどり着くことができたのは、常に新しい商品を生み出そうという高い創造力と、飽くなき探究心の賜物なのです。

 佐野製麺(株)では、他にも西伊豆の特産品である天草や、修善寺の黒米、松崎の桜葉を練りこんだ麺を開発するなど、自社の高い製麺技術を豊富な経験を生かし、伊豆地域の特色を出した商品作りに取り組んでいます。実は西伊豆地域では昔からイカ漁が盛んに行われているものの、そのほとんどは首都圏に流通してしまい、地元で消費されることはほぼなかったといいます。せっかくここでイカが獲れるのだから、もっと地元の人、この土地を訪れる人にも食べて欲しい。海賊焼の誕生には、そういった想いも秘められているのです。

 麺を通じて、西伊豆の素晴らしさをもっと伝えたい。佐野製麺(株)の挑戦は続きます。

海賊焼
カネサ鰹節商店 芹沢安久社長

日本の食文化の原点。現代に残る奇跡の味を今に伝える

 「潮かつお」という食材をご存知でしょうか?潮かつおとは、現在西伊豆田子地区のみで作られる、かつおを一尾まるごと塩漬けにして乾燥させた保存食品です。その歴史は古く、はるか昔は飛鳥時代にまでさかのぼることができます。これは漁業の安全と豊漁豊作、子孫繁栄を祈願するため神前に供えられるもので、正月にはこれを神棚に供え、三が日が明けると家族や近隣の人々と分け合って食べるのです。保存料は塩だけとあってかなり塩辛いのですが、薄く切って焼いたり、お茶漬けの具にしたり、ほぐし身にお湯を注いでお吸い物にして食すると、かつおの深い旨味が味わえます。つまり出汁としても使うことができる、鰹節の原型とも言える食材なのです。

 この潮かつおをもっと手軽に、多くの人に手に取ってもらいたい、という想いから生まれたのが「潮かつお燻焼き」です。これは潮かつおの身を薄く切り、鰹節を作る際に用いられる「手火山式焙乾法」によって燻しながら焼き上げられたものです。そのため鰹節のような香りが楽しめ、より食べやすい味に仕上げられています。

 カネサ鰹節商店の芹沢安久社長は、この潮かつお燻焼きのように昔ながらの食材を現代のニーズにも合わせた商品にすることで、地域の、そして日本の歴史や食文化を知ってもらいたいと言います。潮かつおは西伊豆の風習や風土が生んだ伝統食であり、次世代にも伝えていきたい文化でもあるのです。かつては日本各地で作られていた潮かつおがこの田子地区にだけ残されたことは、もはや「奇跡」であり、だからこそ守りたい、と芹沢社長は力説します。

 現在、遠くは北海道からも注文が入るとのことで、県内でも潮かつおを食材として使ってくれる料理店も出てきました。潮かつおを使った「西伊豆しおかつおうどん」もB級グルメとして注目されており、伊豆を訪れる観光客にも人気が高まっています。

 潮かつおをはじめ、伊豆にはその土地ならではの食が多く息づいています。それらを守り後世に残していくためにも、このような古くて新しい商品を作り出し、広く紹介していくことが大切なのです。

潮かつお燻焼き
港月堂 木下さん

伝統だけにこだわらない、しなやかな姿勢が人気の秘密

 「お父さんが目先の変わったどら焼きを作ろう、と考えてね。色々と試して、これが出来たの。」

 照れ屋のご主人に代わりインタビューに答えてくださった奥様は、はにかみながらそう説明してくれました。

 河津町に店舗を構える港月堂の「チーズどら焼き」は、あんこの代わりにクリームチーズとバターを合わせた濃厚なクリームを挟んだ、洋風のどら焼きです。チーズの酸味がアクセントになり、意外にもさっぱりとした味わいで、甘いものが苦手な方にも好評です。

 意外とも思えるこの組み合わせは、あんこが苦手な方でも食べられるどら焼きを、との想いから作られました。生みの親は現在二代目に当たるご主人、木下昌平さん。創業時には飴やみそせんべいなどを作る和菓子店でしたが、昌平さんが修行を積み、和菓子だけではなく洋菓子も作るようになったのだそう。修行で培った技術と、時代の流れに伴う人々の食生活、嗜好の変化にも柔軟に合わせていこうという姿勢があったからこそ、このような商品を作ることができたのでしょう。店頭には伊豆・松崎特産の桜葉をあしらったまんじゅう、地元河津の桜をイメージしたマドレーヌなど、伊豆を意識した商品も多く並びます。お客様は地元の方が中心でリピーターも多く、自宅用としてはもちろん、お持たせとして利用する方が多いのだそう。地元の美味しいものとしてお友達や親類へ贈られるというのは、地域の皆さんから愛されている証です。

 今では後継ぎの息子さんと共に製造やイベント出展を行い、東京近郊にも多くのお客様を抱える港月堂ですが、他の販売店には一切商品は出していません。インターネットでの販売は行っていますが、それも自店のサイトからのみです。それは大量に作って売るよりも、ひとつひとつを丁寧にお客様へ直接届けたい、という気持ちゆえ。商品に対するご主人の姿勢が伺えます。

 伊豆はのどかで、海も綺麗。自然も豊富でいい所、と奥様は語ります。ぜひ伊豆へ足を運びたい。そう思える味がここにもあります。

チーズどら焼き

 これら伊豆の様々な食材や自慢の逸品に出会えるのが、伊豆の食をテーマとしたイベント「IZU食彩トレイドフェア」です。今年で6回目を迎えるこのイベントには、約60社の地元事業者が出展します。初日の9月17日(土)は13:00~16:30にバイヤーや一般小売店を対象に展示商談会が行われ、翌18日(日)は9:30~14:00に一般の方々を対象においしいもの物産展(販売会)と「第2回おいしいIZUグランプリ」が開催されます。会場は伊豆生きいきプラザ、入場料は無料です。